いつも洗面所の床が濡れている
怪談を語るにはまだ早すぎるかもしれない。
なぜならばまだ5月。
怪談は夏休みに入ってからというのが鉄則だ。
しかし、昨日、我が家の謎が一つ解き明かされたのだ。
そのことについて記録しておきたい。
我が家の謎
タイトルのとおり、我が家の洗面所の床にはいつも水滴が垂れている。
一つ目の仮説
原因は想像にたやすいだろう。
息子が手を洗いに行くと、ついつい水遊びをしてしまい、床に水が落ちるという仮説だ。
この仮説はおそらく正しい。
息子が手を洗った後は十中八九床が濡れているし、息子の指先から水滴が落ちるところを何度も見ている。
息子には、洗面所で遊ばないことと手を洗ったらちゃんと拭くことを何度も教えている。
他にも原因がある
しかし、息子が手を洗っていないときも床が濡れているときがある。
これまで、その原因はわかっていなかった。
しかしながら、先日、その犯人を見つけることに成功した。
それは、ママだ。
ママは手を洗ってから十分に水をはらわずにその手をタオルに伸ばす。
そのため、指先の水が垂れ、床が濡れるのだ。
ママはこれまで息子が床を濡らすことについて注意をしてきた。
そんな注意をしているママも床を濡らしている張本人だったわけだ。
私は小言を言いながら床の水をふき取った。
もう一人いた
私は、床の水滴をティッシュでふき取りゴミ箱へ入れた。
そして、自らの手を洗った。
蛇口は、捻るタイプではなく、レバーを上に押し上げると水が出る。
直感的には、レバーは押し下げた場合に水が出てほしいわけだが(レバーを降ろすという行為と、水が蛇口から下に降りるという結果が結びつきやすい。)、
何かが上からぶつかってレバーが押し下げられてしまうと水が出続けてしまうために、レバーを押し上げるというあえて不自然な行為によって水が出るように設計しているのだろう。
私は石鹸を付けて入念に手を洗い、水で流し、そしてタオルの方に手を伸ばした。
ん?あれ?
私の視線はタオルからその下の床に下っていった。
これはレバーを下におろして水道を止めたからなのかもしれないし、この行為は関係がないのかもしれない。
さっき拭いたはずの床が、また水で濡れているのである。
水の動きを逆にたどってみると、そこには私の濡れた手があった。
私は何事もなかったかのように、床を拭いてその場を去った。