スゴ育児

息子育ての狂気の日々

「ごめんなさい」という声で目覚めて

息子:ごめんなさい。
ママ:何?
息子:ごめんなさい。
ママ:どうしたの?
息子:ごめんなさい。
ママ:もしかして・・・
息子:ごめんなさい。
ママ:パパ!起きて!

今朝の目覚めはこうだ。
スケジュール時計に刺されずには済んだが、
あまりよい目覚めではない。

私は、布団から跳び起きると、声の方へ目を向けた。
そこには、謝り続ける息子と怯える様子の妻。

リビングには折り紙で作ったような道と、ペットボトルが置いてある。
ペットボトルの上には、サランラップがかぶせてあり、輪ゴムで止められている。
そういえば、昨日息子がダンゴムシを捕まえてペットボトルに入れたことを妻から聞いていた。
サランラップさえしてあればなんということはないはずだが…どうやらはさみで切ったよな跡が見える。

息子の方に目を向けると、リビングと寝室の間に座り、不自然に右手を膨らませて床に置いている。

パパ:どうしたの?
息子:ごめんなさい
パパ:ちょっとその手をどけて。

私が息子の手をどけると、そこにはダンゴムシが這っていた。

あ~あ、やっちまった。
ダンゴムシを寝室の入り口で這わすとは・・・。
しかも今何時だ?
私はとりあえずダンゴムシを確保し、ペットボトルに入れた。
そしてそのペットボトルは机の上へ。
こうして事なきを得たわけだが、これはなかなか問題だ。

パパ:どうしてダンゴムシを出したの?
可能な限り優しい声で息子に問うた。
息子:ごめんなさい。
パパ:謝ってほしいんじゃなくて、どういう理由があったのか知りたいんだ。
息子:ダンゴムシさんが窮屈そうで。
パパ:そうか。それじゃあ、朝になったら外に返しに行こうね。
息子:…わかった。

 

そういう家は比較的多いのではないかと思うが、一般にママは虫が嫌いだ。多分。
そして我が家も例外ではない。
虫が這う家には住みたくないとママは言っていた。
これで息子は、虫を飼うと家の中に出す子だという認識が両親の間でされてしまった。
これは、今後カブトムシやクワガタを飼う確率が下がったことを意味している。
息子の狙いはどうであれ、仕出かしてしまったな。
さて、どうしたものか。

なお、私は、息子がダンゴムシを放った理由について、息子が本当のことを言っているとは思っていない。
パパやママがどんな顔をするのか、どんな反応をするのかを楽しみに放ったものとみている。
なにせ、普段からパパやママを驚かそうと色々と策略を巡らせている息子だ。

そういう意味では、ママは見事に策にハマってしまったわけだ。
ママの反応は、息子の狙ったとおりのもの。
反対にパパの反応は、息子にとって期待を裏切る反応だったかもしれない。

子育てでは、「まさかそんかことしないよね?」ということにしばしば遭遇する。
ダンゴムシを持って帰ってきた時点で、この事態は想定できかもしれないが、それはそれで。

息子は、想定内や予想通りの日常に、イレギュラーな刺激を与えてくれる。
これは、育児の醍醐味の一つだろう。